痴漢の疑いから逃げるのは間違い|疑いを晴らすための5つのポイント

2014年7月、1つの痴漢事件で無罪が言い渡されました。

男性にかけられた容疑は「勤務先の中学校に忘れた財布を取りに戻ろうと吉祥寺駅から乗ったバスの車内で、前に立っていた面識のない女子高校生の尻をスカートの上から触った」というものです。

この事件は、男性は「痴漢をしていない」と主張していたのにも関わらず、女性から「痴漢!」と疑われただけで28日間もの拘留をされ、一審では有罪判決まで受けました。

2011年の事件ですから無罪判決を勝ち取ったのは約3年後だったわけです。

「自分は痴漢なんてしていない、やっていないのだから無罪になるはずだ。そもそも痴漢をしたなんて証明しようがない」

普通の人はそう考えます。

しかし、映画「それでもボクはやってない」でも描かれたように「痴漢だ!」と疑われたら最後、99%が有罪になり、無罪を証明しなければならない立場になります。

この事件を見てもわかるように無罪を証明するためには大変な時間と労力が必要とされることがおわかりになるでしょう。

日本の刑事事件では、初期の段階で適切な対応をしなければどんどん不利な立場になってしまいます。

早期に疑いを晴らすためには「現場でどのように対処するか」が非常に重要となります。

私も一度痴漢を疑われたことがありますが、この方法を使って無事に疑いを晴らすことができました。

今回は、もしあなたが痴漢の疑いをかけられたときにどのように対処すべきなのかを紹介します。

痴漢を疑われたとき、現場から逃走するべきではない

もしかすると「痴漢を疑われたら走って逃げた方が良い」という意見を見かけたことがある方もいるかもしれません。

しかし、駅構内や改札には多くの監視カメラがありますし、改札の出入り口はICカードで管理されているため、現場から立ち去ることに成功したとしても身元が特定される可能性が非常に高いです。

その場から逃げられたとしても警察がやってきて逮捕されてしまえばどうしようもありません。

また、逃げたことによって「やましい気持ちがあったから、痴漢をやったから逃げたのだろう」と疑いを強められるのがオチです。

ですから、「逃げるのはリスクが高い」ということです。

痴漢を疑われたら戦うしかない

では、どうすべきなのでしょうか?

大人しく駅員さんについていけばいいのでしょうか?

実は「その場で疑いを晴らすように行動するべき」だと言えます。

逃げれば捕まってしまいますし、おとなしく駅員に連行されて駅員室にいっても警察を呼ばれますので、その場で疑いを晴らすようにするのが一番なのです。

とはいえ、駅員や鉄道警察は痴漢の取り扱いになれているので、取り押さえられているところを見たことがある人も多いかもしれません。

ですから、何の知識もなく抵抗していては状況は悪くなるばかりなのです。

そこで、万が一の場合には、以下のような5点に気をつけて対応してください。

痴漢を疑われたときにやるべき5つのこととは?

「痴漢はしていない」ときっぱりと断言する

「私は痴漢などしていません、この女性を触ったりもしていません」とできるだけ大きな声ではっきりと伝えてください。

オドオドしていたり自信なさげに言ってはダメです。

やりとりを録音する

あとで「言った」「言ってない」といった話になったときに証拠がなければすべてあなたが不利な方向に判断されますので、証拠としてやりとりをスマホで録音しておいてください。

過去の判決をみてもこっそりと録音していた証拠だとしても法的に問題ありません。

録音する機材がないと思うかもしれませんが、スマホの録画でも構わないので堂々と録音しましょう。

絶対にその場所(駅のホームなど)から移動しない

駅員は「まぁまぁ、あちらで話をききますから」と駅員室へ言葉巧みに連行しようとしますが、他の人の目がない場所では絶対に取り合ってもらえません。

また、弁護士を呼べたとしても中に入れてもらうことができない、なんてこともあります。

現場にいたほうが事実関係を確認するさいにも有利になるので「私は逃げも隠れもしませんから、この場で話をしましょう」といって、疑いが晴れるまでは絶対にその場から動いてはいけません。

可能であれば目撃者をその場にとどめる

できれば、目撃者、関係者を呼び止めておきたいところです。

「痴漢と疑われていますが、誰か私の潔白を証明してくれる人はいませんか?」

と周りに確認すれば名乗り出てくれる人もいるかもしれません。

相手の言い分をまとめる

難しいかもしれませんが、非常に大切な一点です。

ポイントは「あなたは先に説明せず、被害にあったという女性に先に説明させる」ことです。

例えば、あなたがもし「私はこの車両のドア付近に立っていました」というと、相手も「です、私もこの車両のドア付近に立っていて、あなたが後ろから私のお尻を触ったのです」などと話を合わせられたりします。

そうではなく、先に相手に状況を説明させ、そこにあなたが間違いを指摘すべきなのです。

相手の記憶も曖昧なものなので、まずは相手に証言をさせるべきで、それが間違っていることをあなたが指摘しなければなりません。

相手に何を説明させるべきか?

では、どう説明させればいいのかを具体的にお教えしましょう。

被害にあったと主張する女性が、

  • 電車のどこの位置に立っていて
  • いつから(どの駅のあたりから)
  • どちらの手で
  • どこを触られたのか

を説明してもらい、それを録音しておいてください。

たとえば女性が「赤羽駅に乗りこんですぐからずっと触られていた」と主張したとします。

もしあなたが赤羽駅で電車に乗っていなかったり、女性の側にいなかったことが証明できればただちに疑いを晴らすことができます。

乗車駅はICカードでも証明できますし、乗り込み口の監視カメラの映像を要求してもいいでしょう。

「車内のどこに立っていたのか」も重要で、駅のホームで現場検証をすれば、相手が何号車のどのあたりに乗っていた確認できます。

これをきちんと録音した上で「私はそこには乗っていません。別の場所にいました」と主張すれば疑いを晴らすことができます。

乗車や下車位置は防犯カメラで確認できますし、痴漢が発生するような混雑した電車では車内を移動することもできないので、証明できるわけです。

また、触った手が右手だったか、左手だったのか、ということも重要です。

人の手は可動範囲というものがあるので、「女性の説明ではどうやっても右手でお尻を触ることはできない」ということが結構あります。

これは警察に逮捕されてしまうと、あなたと被害女性の供述が別々に行われるため簡単に話を合わせられてしまうのですが、その場で録音しながら確認すれば食い違いが明らかになることも多いのです。

あなたがもし指定された方の手でスマホをいじってサイトでも見ていた場合は、アクセスログなどからスマホを触っていたことを証明できることもあります。

このように現場で落ち着いて事実関係をつきあわせれば簡単に疑いが晴れることがよくあります。

こちらが「それだと私は犯人ではありませんよね」と食い違いを指摘したあと「よく考えたら赤羽駅ではなく、板橋駅から触られていました」と言っていることを変えてきても慌てる必要はありません。

「こっちが言ったことに合わせてきてるだけですよね。全部録音しているので、聞き直せばわかりますよ。もう疑いは晴れたんじゃないですか?」と周りに確認してください。

駅員室は事務室、交番へ連行されたら「繊維片」を採取してもらおう

このように主張してもむなしく駅員室や事務室、交番へ連行されたら手から繊維片を採取してもらいましょう。

この「繊維片(せんいへん)」とは衣服の細かい繊維の破片のことです。

目には見えないほどの大きさですが、衣服に触れると多数の繊維片が手や爪に付着するものです。

これをガムテープのようなもので採取してもらってください。

手に付着した繊維片が被害者の着衣の生地と同じ素材であれば痴漢の証拠になるわけですが、逆に繊維片が手からでなかったとなると、触っていないことを証明できるわけです。

「やりました」と認めると大変なことになる

もし早々に「やりました」と認めると厳しい取り調べは受けなくても済むかもしれませんが、あなたが犯人ということで話は進みます。

その場合は警察の供述に付き合わなければなりませんし、示談する必要がでてきます。

示談となれば弁護士費用として50万以上、示談金として30万から50万かかりますし、それで不起訴になればいいですが万が一起訴されてしまえば、さらに罰金として30万から50万を支払えと言われるのがオチです。

ですので、安易に「やりました」と認めるのは止めましょう。

「免許証や名刺を出して身元を明らかにすれば逮捕されない」は間違い

身元を証明して立ち去れば逮捕されない、という話を聞いたことがあるかもしれませんがこちらは間違いです。

すごく軽微な罪、例えば「30万以下の罰金にあたる罪」については住所不定の人でないと逮捕できないのは事実です。

しかし、痴漢で扱われる「迷惑防止条例」や「強制わいせつ罪」はほとんどの場合「50万円以下の罰金」と「6月以上10年以下の懲役」と提議されているので意味がありません。

最後に

今回は痴漢と疑われてしまったときの対応策をご紹介しました。

私も実際に疑われたときは非常に焦ったものですが、落ち着いて対処すれば逮捕されることはありません。

くれぐれも気をつけてくださいね。